ゴルフ会員権業界を取り巻く環境

20086月期】

 

米国サブプライムローン問題で金融資本市場が動揺するとともに、原油価格や一次産品の価格上昇がコスト増加要因となって好調を続けてきた企業業績に影を落としています。また食品等の値上げが続き個人消費の先行きにも不透明感が広がりました。

 

国内のゴルフ業界にもサブプライム問題の影響が出始め、一部の投資ファンドがゴルフ場経営から撤退し始め、ゴルフ場の売買平均価格も下落しています。

一時期のゴルフ場売買価格はミニバブルとも言われ、日本の新興不動産企業や投資ファンドがゴルフ場経営に積極的に進出した結果、採算を度外視した売買が行われていました。しかし、最近の事例ではチャーミングリゾートグループのゼクス梶i東証一部上場)は、系列ゴルフ場6コースを売却。不動産ファンドの潟激Cコフ(大証ヘラクレス上場)は、ゴルフ場への過剰投資が原因で倒産。今後もゴルフ場を手放すという同様な企業が多くなってくることでしょう。

全国ゴルフ場2,500コース中、約30%にあたる730コースが法的整理を申請しております。

一段落したと思われがちなゴルフ場の法的整理も、まだまだ預託金償還問題や親会社の経営不振等を抱えており、予断を許さない状況にあると思われます。

 

一方、多くのゴルフ場の現場から聞こえてくるのは、今年度の来場者数の増加です。

昨年の関東近郊のゴルフ場は、冬場も天候と気温に恵まれ、来場者数が増加しましたが、今年は、昨年を上回る来場者数を記録しています。これは各ゴルフ場の営業努力の結果なのでしょう。

しかし、ゴルフ場来場者の増加=売上の増加になかなか繋がらないのが現状です。ゴルフ場は来場者を増やす努力をする一方で、割引やインターネット予約等の安易な営業方法に頼り、会員度外視の営業を続けているコースも少なくありません。

 

栃木県のあるゴルフ場では、なんと年間の来場者が10万人(36H)を超えるそうです。

ゴルファーにとってゴルフ会員権を持つ意味は、それぞれ異なることでしょう。

しかし会員にとって一番望ましい姿のゴルフ場とは、会員とビジターの歴然たる差別化です。会員の同伴以外のビジタープレーを受付けないゴルフ場や会員紹介のビジターのみを受け入れるゴルフ場です。特に土日祝日に関しては、ビジター来場者を増やす努力をするよりも、会員に対するサービスをゴルフ場は徹底すべきであると考えます。